音楽パーティー動画集

ヒット カウンタ

2005年、2006年の謎の音楽プロデューサーマキちゃん主催の音楽パーティの動画集です。
様々なジャンルの超一流のプロと私を含むアマチュアの方も集い、酒を飲み、語り、そして演奏するという夢のような集まりなのです。

特筆すべきことは、プロの方々のジャンルの幅広さです。
いわゆるクラシック音楽の伝統的な弦の方々が中心ですが、ハーモニカやアコーディオン、バグパイプ、そして邦楽の方もおられます。


また少数ですがジャズなども含めた軽音楽の方々も参加されているのです。
そして半日において延々と続きますから、途中で抜ける方から新たに参加する方などで、構成員は流動的です。

その場に居合わせた方で即興的にアンサンブルを楽しむというパターンが延々と続くのです。
ですから、普段では考えられない組み合わせが実現します。

またジャンルの違う音楽家が即席でグループを作り、その場で演奏するといった事も頻発します。
そして観客の受けを狙うのではなく自分達が楽しむためなので、いろいろ実験的な試みもあります。
あとこれが重要(?)なのですが、酒が入っていると言う事です。

皆素で、楽しむ事だけのために音を出します。
また仲間内のパーティーで、即席のメンバー構成で譜面も不完全ですから普通は考えられないようなアクシデントが起きたりしますがこの処理がまた格好良いのです。
一流のプロは転んでも絵になります。

そして、アマチュアの方々とのアンサンブルもとても面白いです。
アマチュアはさすがにレベルは様々ですが、その良さを最大限引き出す力をプロの方たちは持っています。
まちまちのレベルの集団をまとめる技術は音楽だけでなく仕事やスポーツでも大変重要な能力です。

指揮者を見る醍醐味はまさにこの感覚を共有するところにあります。
中川賢一さんはニコニコしながらサラリと指揮をしていましたが、素人にはとても真似のできないレベルです。
この人は本当に何でもできるのです。

ここは2005年の演奏と2006年の演奏がごちゃ混ぜに入っています。
中身を吟味して年代別に並べても良いのですが、面倒だし、ここは非公開で参加者の方は一目みればわかりますのでそのままコンピュータにセーブされいる順にしました。

私の友人たちも特別ゲストとして参加しています。

動画のファイル形式

 


工藤美穂さん(通称ミホちゃん)のチャルダッシュ。
まさに超絶技巧。
マキちゃんが伴奏(となりで譜面をめくっている人は数々のコンクール入賞をしているピアニストの稲垣聡さん
メンバー構成も即席で多分譜面は皆初見かそれに近い状態だと思います。
酒も入った状態でみんな冗談半分で楽しみながらやっているけどそれでこれだけのクオリティーです。すごい。
マキちゃんは本来はオーボエが専門ですが、ピアノも上手です。リストのラカンパネラなんかも、サラっと弾く実力の持ち主です。
ジャズボーカルも上手です。
この演奏は、アクシデントも発生しますが、笑いながら難なくそれらをクリアしていきます。
プロ達の余裕と底力を感じさせてくれます。

 


国際ハーモニカコンクール優勝2回を誇る和谷泰扶さんのハーモニカ。これまた超絶技巧に絶句。
ショパンの子犬のワルツをいとも軽々とこなします。 
全曲録画されていなかったのが残念。
ハーモニカという楽器の概念を根底から覆させられました。
とにかく凄いです。

 


モーツァルト ディベルティメント第一楽章
今年はモーツァルトイヤーという事で大変なブームですが、それとは関係なくやはりモーツァルトは良いですね。
この中でコンバスの井上さんはアマチュア。
最近ジャズも始めました。私とバンドを組む予定。この前お宅に第一回目の練習でお邪魔しました。
奥さんはプロのチェリストでマキちゃんの大学の先輩。マキちゃんを唯一呼び捨てにする怖いお姉さんです。
お宅はグランドピアノのある防音レッスン室完備の豪邸です。

 


ヨハンシュトラウス 美しく青きドナウ
プロ・アマ混成合奏団。
アイリッシュバイオリンのOgata君や中国楽器の二胡奏者のコキンちゃんもビオラで参加。
とにかく、今そこにいるメンバー、そこにある楽器で即席のアンサンブルが次々と登場するところがこのパーティーの醍醐味なのです。

 


檜山 学さんのアコーディオン
全イタリア・アコーディオンコンクール 第1位、第8回全日本アコーディオンコンクール 第3位など数々のコンクール上位入賞を果たしているアコーディオンの第一人者。
このシャンソン風の曲は何という曲でしょうか?すばらしい演奏です。

 


東大ピアノの会OBの木下さんのショパン。真面目で折り目正しい論理的な演奏でした。
東大にはこんな凄いアマチュアの人もいるのです。本当にビックリしました。

 


佐藤真由さんのフルート演奏
フランスコンセルヴァトワール(パリ高等音楽院)卒業。現在はパリで活躍中。
だいぶ前だったと思いますが三宿(だったかな?)の練習スタディオでマキちゃんとミホちゃんと一緒したときお会いしました。
その時、ボサノバをちらっと私の伴奏でやったことがあります。クラシックの演奏家なのにすごくノリが良かった事が印象深いです。
そして皆でカラオケに行ったのですが、酔っ払ったミホちゃんはカラオケをバックにバイオリンで歌いまくります。
しかし、その上手いこと。皆超人です。
クラシックのプロ達のカラオケはそれは本当に凄いです。
酒も入って楽器も持参となると、バーチャルリアリティー対もろリアリティーのすさまじいコラボの実現となります。
みんな本当に耳が良いんだな。


マキちゃんの大学の後輩、オーボエの浅間信慶(新日本フィル)さんとミホちゃん、天才ピアニスト中川賢一さんによる「冬ソナ」です。
誰だ、このスゴいメンバーにこんな曲やらせるのは。
でもさすがに上手い。

 


左端は私の修猷館時代からの友人吉武です。
彼はこの当時は厚生省の年金局長で、毎日のように国会答弁に追われていました。その間隙をついてのパーティー参加でした。彼は修猷館から東大時代にかけてずっとクラリネットをやっていました。(奥さんは私の空手道場で空手をやっています。すごく強い)
現在は青山の「子供の城」の理事長です。
右側はフルートの佐藤真由さん。その右側はフランスのジャズサックス奏者の方。ジャズをやっている事は後から知りました。最初に分かっていればジャズ演奏の中に入ってもらえたのに。
バックの曲はディズニーのピノキオの中で使われた「星に願いを」


アイリッシュバイオリンOgata君の曲弾? 
ミホちゃんのお弟子さんです。この時はまだ大学生だったのかな。


ご存知モーツァルトのアイネクライネナハトムジーク。
全アマ総出演の即席オーケストラです。
私のとなりで聴いているおとなしい感じの女性はチェンバリストの水永牧子さんです。
あの時は気づきませんでしたがバイオリン全日本学生音楽コンクール第1位の曽根マリさんもいらしてたようですね。


ヘンデルのハレルヤ指揮をするのは、バス オペラ歌手 大澤建さん。即席のメンバーを募って歌いながら指揮。
動画の最初に登場する左端の女性はマキちゃんの友人で書道の人でしたっけ?
その隣は日本交響楽協会の谷田部さん(彼女とはフランス大使館でのピアノコンサートでお会いしました)、それから私(園田)その隣は現空研(空手道場)の鈴木さん、彼女は子供の頃からクラシックバレーをやっており、蛸のように体が柔らかいです。180度開脚なんか軽々とこなします。その隣も現空研の二戸君です。二戸君は一級建築士免許を持つ建築家です。彼とこのビデオの撮影者である川辺君は現空研の猛者です。
川辺君は私が教えている大学(東京造形大学)の職員でもあります。
彼等(現空研)はこうした一流の音楽科たちの生の演奏を身近に接した事は始めてのことで、すごく感動しある種のカルチャーショックを受けていたようでした。
彼等は私のピアノすら初めて聴いたのです。

 


弦総出で、これはショスタコピッチのジャズ組曲2番かな。ハウルの動く城のテーマ曲みたい。
ショスタコは旧ソ連の作曲家ですよね。
全然ジャズらしくないところが面白い。
写真右はコンバス井上さんの奥さんでマキちゃんの桐朋の先輩の井上さん。
先日はお宅にお邪魔しました。
左は大学生のお弟子さんのチェロのキムタクこと牧野君。

 


菊地奈緒子さんと中川賢一さんの春の海。あまりにも有名な曲なのですがとても新鮮ですばらしい。
通常ピアノで春の海をやる時はピアノがお琴の部をやるのですが、ここでは琴とピアノです。
尺八の部を中川さんのピアノが受け持ちます。
誰の編曲なんでしょう。それとも即興?
中川さんは、どんな曲でも初めての曲でも軽々とこなす万能タイプのピアニストです。
彼が弾くとどんな難曲も難しくないように聞こえてしまいます。楽譜を見るとあらためてビックリさせられます。
一度ジャズでちょっとだけ連弾したことがあります。
とにかく耳が良いし感性が豊かでリズム感も抜群です。いやになるほどの才能の持ち主です。
その彼が歌心いっぱいの菊地さんとのデュオで彼女の良さをどんどん引き出していきます。

 


私の出番です。
たまたまジャズパーカッションの方がおられたので即席でバンドを組みました。勿論初対面です。
ベースの井上さんの準備ができていなかったので指ならしのつもりでFのブルースをソロで始めました。
するとすぐパーカッションがついてきます。しかもやたらと上手です。後で知りましたがこの方はプロでした。どうりで。
なお、この曲のテーマは私のオリジナルですが、この曲の元は名ジャズピアニストの岩崎良子さんと数年前に互いに即興で連弾したとき完成したものです。その時の演奏が下のものです。
やがてコンバスの井上さんの用意ができそうだったので、「枯葉」に入りました。
最後の曲ははバイオリンのミホちゃんを誘って童謡の「夏の思い出」をやりました。
三人とも初顔合わせです。メロディーだけの譜をミホちゃんに渡して、後は即興ででたとこ勝負でやってみようということになりました。とりあえずバラード調で始めましたが、あまり面白くないので途中から合図してミホちゃんに入ってもらいました。
初めて彼女の伴奏をしたのですが、こんなにきれいに朗々と歌われると本当に気持ちが良いです。
私も3歳から小学校6年生まではバイオリンも習っていたのでバイオリンの難しさは良く知っています。(ちなみにピアノは小学校の3年生から佐藤博子先生につき高校卒業までやりましたが劣等生でした)
ですからバイオリンの上手な人は無条件に尊敬してしまいます。
4ビートになっても彼女はリズム感良く音を響かせてくれます。パーカッションも最高でした。
おしむらくはベースの譜面が無かったことです。井上さんはクラシックの方で、コード譜は慣れてなかったのです。
ベース音はピアノで出しました。
私のピアノのアドリブの後短いベースソロ(ピアノ)そしてパーカションのアドリブと続きパーカッションがそろそろ入れという音を出してきましたのでエンディングのテーマにもっていきました。
ミホちゃんは、テーマをオクターブ高い音で始めます。
これがまた綺麗な音で歌うのです。最後はミホちゃんの終止音Fのロングトーンに合わせてDフラットの分散和音をぶつけてトニックのFに持っていきました。
こんな終わり方はジャズではあまりやらないのですが、とっさに出たエンディングです。
「分かっているわよ」と言わんばかりにFを引っ張ってくれるミホちゃん。そしてパーカッションも瞬時の私の意図を汲み取ってピタっと合わせてくれました。
二人とも凄い人達です。(空手をやっていたら二人とも強いだろうなあ)

 


この連弾の方は岩崎良子さんという知る人ぞ知るジャズピアノの名手です。
(私は日本人の実力派ジャズピアニストを5人挙げろと言われると必ず彼女はその中に入ります)
彼女はジャズだけでなく、クラシックも造詣が深く、聖路加国際病院礼拝堂オルガニストとしても活躍しています。
バブル全盛の頃、私は会社の近くの赤坂や六本木のジャズクラブで毎日のごとく飲み歩いていましたが、その頃乃木坂にあったある会員制クラブで彼女が定期的に演奏をしており圧倒的に上手だった彼女のファンになったのです。
その頃彼女は大学生だったか卒業したての頃だったと思いますが、センスの良いアドリブが湯水のごとく湧き出てくるのです。何度も一緒に飲みましたが(彼女は明るい酒を結構飲みますから抱腹絶倒するような話は山ほどあります)ピアノを一緒に弾いた事は一度もありませんでした。
それが今回マキちゃんのパーティーでたまたま顔を合わせ、成り行きから連弾することになったのです。
こういう機会はめったにありませんので私はある実験をしてみようと思いました。
私が、この場で即興のテーマ(とういかオブジェクト)をいきなり提供し、彼女がそれを彼女のインスピレーションでアドリブしていくという試みです。
テーマ自体が私の即興ですから彼女はまったく真っ白の状態で曲を作っていかなければなりません。
でも彼女の卓越したアドリブ能力はすばらしい創造をするに違いないと踏んでいました。
私は自分のやりやすいテーマをただぶん投げるだけですから楽なものです。
最初はどんなものをぶつけようかと思いましたが、ろくに才能もない私が考えてもたかが知れています。ですから何も考えずに指の赴くまま音を出すことにしました。
と言っても、何か核になるものがなくてはネコが鍵盤の上を歩くようになってしまいますので、当時英語の勉強で時々見ていたセサミストリートのテーマ曲を頭に思い浮かべながら、ブルース調に味付けをして鍵盤にたたきつけました。
キーだけはF(ヘ長調)と決めました。なぜならFは一番やりやすいキーだからです。(私にとって)

早速私は適当に音を出していきます。
彼女は初め注意深く聞いていました。
そしてオンリズムになるとすぐついてきます。
途中変形ブルースのようになって連弾が続きます。盛り上がってきたところで私は演奏をやめ彼女に完全にバトンタッチをします。
後は彼女がこれをどういう風に料理し創り上げていくかを観客として楽しんでいれば良いわけです。
さすがに日本有数の実力派ジャズピアニストです。
色彩感豊かに私のモチーフをどんどん磨き上げていくではありませんか。
しかし、彼女は突然思いもかけない言葉を発します。
「ベースを付けて!!」
一瞬冷や水を浴びせられたようになり、私は1観客から演奏者に引き戻されます。
今度は私が彼女の意図を汲んで伴奏しなければなりません。
彼女はどこかで聴いた事がある有名なジャズのフレーズをあちこちにちりばめながら遊んでいます。
コード感覚(時間軸に対して縦割りの和声)を残しながらアドリブはモード奏法(時間軸に沿って流れる旋律重視)なのです。
何とか彼女に付いていきながら最後の仕上げを彼女に託しピアノから手を上げます。
そしたらしばらくして何とまた彼女が私にバトンを投げてくるではありませんか。
最初に投げたボールは最後はキチンとキャッチせよと彼女の音が私に決断を迫ってきます。
私は一回目はもじもじと優柔不断に躊躇しましたが間髪を入れず再度より強力に迫ってきます。今度は顔までこちらを向いています。
もう逃げるわけにはいきません。
私は苦し紛れに2小節間を作って(言葉でいえば「えーと、まあーそのー」とかいった感じ)最初のセサミストリート崩れのモチーフで12小節のブルース展開を行いエンディングに持っていきます。
その瞬間は「え!こう来るの?」とちょっとけげんな雰囲気でしたが、最後は待ってましたと言わんばかりの彼女のカッコ良い終止コードが響きこの曲は出来上がりました。

私はこのテーマがすっかり気に入り、私のオリジナルブルースとして時々演奏するようになりました。
上のミホちゃんたちと演奏した時の最初のブルースのテーマが実はこの時作ったものなのです。

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