ヒット カウンタ

打たれ強さ


以下の話は喧嘩を奨励するためのものではありません。
また暴力を肯定するものでもありません。

喧嘩を好んでやるのではなく、全ての手段が閉ざさればんやむなく実力行使に及ばざるを得ない場合にのみ適応されるべきものだということは深く心に刻んでおいて下さい。

たいていの人は子供のころ殴り合いの喧嘩を何回かはやったことがあるでしょう。
でも大人になって本気の殴り合いをしたことのある人は少ないかもしれません。

あったとしても大抵はどちらかがが気合負けをしてしまうのが常なので、数分間にわたってボコボコ殴りあうという経験をした人は稀でしょう。
実際にこのような殴りあいを経験した人なら分ると思いますが、殴られて痛かった記憶など殆ど無いと思います。
おそらく例外なく痛みを感じていないはずです。

経験のない人は経験のありそうな人に聞いてみて下さい。
精神的にまいった場合は話しにならないのでオミットします。

人間は戦うモードにはいったらアドレナリンが噴出しますのでまず痛みなんて感じなくなります。
顔面なんかどこをなぐられても平気になるのです。

まして裸でもないかぎりボデーなんかぜんぜん効きません。
映画では腹を殴られると大抵の人はウッとしゃがみこむシーンになるのですが゛、実際にボディーでダウンする(させる)のは並大抵ではありません。

俺は喧嘩で大抵一発で相手をダウンさせるよ、という人がいたら、それは対戦相手に戦闘意欲がなくなったかあなたの勢いで相手が戦意喪失した結果によるものが殆どです。
まあ、素人の喧嘩は殆どが神経戦ですからボクシングやK1のような展開にはなりません。

私は学生のころ結構喧嘩をしましたが、体力の限り向かってくる相手と対戦したことは数える程しかありません。
大抵は、相手がすぐ戦意喪失してしまう展開でした。

私は体力に自身がありましたから、最初は好きなように殴らせて「そろそろ本気出すぞー」と言うと大抵の人はヘナヘナとなってしまいました。
そして殴ると殴られっぱなしになります。手加減して殴っても自分のほうからへたり込んだりします。

勿論闘争本能の塊のような人も例外的にいますし、何回かは遭遇したこともあります。
しかしそれはきわめて例外的ですので話を後にします。

一般的には体力以外の要素で勝敗が決まります。
ボコボコに殴られた人でも痛みという点で考えると大して痛くはなかったはずです。

これが道場の稽古ということになると結構痛みを感じます。
それは、稽古は命をかけた戦いではないからです。

どんなに真剣に稽古をしたとしても、それはやはり命はかけていないことは体が知っています。
そして稽古では相手が最後まで全力を尽くすといった点もあります。

稽古では言葉で脅して相手を戦意喪失させるといったことはできません。
相手も体力のあるかぎり全力で向かってきます。

私がここで言いたいことは稽古でも痛みを感じない程度に体を鍛えろということです。
それは超人的な努力をしろと言っているのではありません。

人間の体は、システムとして考えた場合安全のため全ての信号は安全側に余裕を持った情報を脳に送信するようにできています。
殴られて痛いのは、殴られたことによって器官が損傷を受けた可能性があることをいち早く脳に伝えて対処させるためです。

未経験の打撃を受けた場合、取りあえず最大限の情報を脳に送り込みます。つまり痛みです。どの程度の打撃でどの程度のダメージを受けるか脳はまだ知りませんから、取りあえず大きめの信号をおくります。つまり大きめの痛みを感ずるわけです。

これが喧嘩などという非常事態の場合は、痛みなどという余計な情報が迅速な対応を邪魔する可能性があるので自動的にカットするわけです。

我々は通常の稽古でこの痛みのフィードバックを適正化させておく必要があります。
痛みを全然感じないというのはこれまた危険ですが、大抵の人は打撃の痛みは過剰に感じているのが常です。

適正なレベルにもっていくにはまず何度も殴られる蹴られるといった経験を積むのが一番です。
最初は軽い打撃を受けることからはじめます。

例えば、防具の上から突かれたり蹴られたりしてみます。
次に防具なしで軽く当ててもらいます。そして慣れるにしたがってだんだん本気で殴ってもらうようにしていくのです。

そうこうしているうちに神経系の情報も適正化していきますし、皮膚や筋肉、骨格もだんだん鍛えられていって衝撃に対する耐性の強い体になっていくのです。
空手は打たれ強さというのも技の一つだということを忘れないで下さい。

話は喧嘩に戻りますが、私の数少ない経験、つまり相手が闘争本能の塊のような人の場合です。
素人は普段打たれなれていませんから、精神力はあっても体自体はきゃしゃな場合が多いです。

下段に一発くれてやると大抵立てなくなります。
ガードする腕をへし折るつもりでガードの上から構わず正拳をぶち込みます。

そのうち腕が折れるか何らかの損傷が起きます。それでも参らなければ顔面に拳が到達します。何発かはこちらも貰う覚悟も必要です。
闘争本能の旺盛な人は精神的に参るということがありませんから物理的な障害を与えるしか倒す方法がないのです。

相手が素人ではない場合は?
相手が素人でなくしかも闘争本能が旺盛な場合は壮絶になるケースがあります。

しかし戦う理由があなたにとって正当であり、相手が理不尽であればあなたの方が何倍も有利です。あなたは能力を120%発揮でき、後ろめたい気持ちが少しでもあれば相手は実力を多分出しきれないからです。

人間とはそういう生き物なのです。

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