Takagi初段 奇跡の15人組手 その2

2010/09/15


初戦からTakagi初段は積極的な攻撃で試合を進めていきました。

彼の生き様、人生哲学がそこに凝縮されていました。

 

幾多の困難、問題を抱え、そしてそれらを一つづつ克服し、そして現在またあらたな試練にたたされている彼の立ち向かう決意が溢れていました。

私は会員の公表できない事情や問題の多くを知る立場にあります。

 

現在他にも様々な苦悩や問題を抱えながら頑張っている多くの会員の方々がおられます。

そして、彼らが空手によって支えられ、立ち直り、あるいはより発展的な解決方法を見つけられています。

 

もちろん困難の全てが空手で解決できるわけではありません。

しかし、空手、大きくいえば日本の武道精神がこうした様々な困難に立ち向かう大きな精神的な支えになることは私自身もそうであるように多くの会員の方たちも実証しています。

 

Takagi初段はまさにその典型であるように思います。

こうして試合は始まりました。

 

初戦のTokiwa初段は、180Cmを超える筋肉質の体躯で体格的にはほぼ互角の相手です。

彼も、組手の稽古の時いつも回りから「ライト、ライト」とか「リラックス」とか声援が飛ぶ程、常に全力で立ち向かうタイプです。

 

初戦から組手は厳しい内容となりました。

互いに威力のある正拳の応酬、そしてフルコンタクトならではの重い蹴り技の攻防となりました。

 

左 鋭い前蹴を放つTakagi初段 右Tokiwa初段

 

2番手の Karakida初段は合気道も2段の持ち主です。

やはり長身を生かして懐の深い攻防を展開しました。

 

3番手のAndo初段は、現空研に入門するために県外が引越ししてきた熱心な現空研会員です。

他流派で既に黒帯を取得し、現空研に入ってからはいつもまじめに基本から全力で稽古を積んできました。

 

体は大きな方ではありませんが、隙のない攻防には定評があり、今回も正々堂々とはしていますが相手を休ませないしつこい攻撃でかなりの体力を消耗させました。

 

4番手は2段チャレンジを控えたレスラー2段です。

磐石の受けと常に冷静さを失わない安定した組手は定評のあるところです。

 

今回もジワジワと距離をつめ、ここという時の上段回蹴は切れがあり、相譲らぬ攻防を展開しました。

Takagi初段もかなりの体力を消耗し、大きく肩て息をする姿も見せましたが、気力はいささかも衰えていません。

 

5番手はOzaki初段です。

Ozaki初段は普段は目黒道場に所属していますが、今日はこの審査のために東京からの遠征です。

 

私の母校修猷館の後輩でもあります。

決して器用なタイプではないのですが真面目で常に真正面から正攻法で問題に取り組み一つ一つ解決していく生き方はすばらしいです。

この日も常に距離をつめてTakagi初段にプレッシャーかけ続けました。

 

左 Takagi初段に飛び込んでの上段突きを放つOzaki初段(右)

 

6番手のYanagi初段は誰もが認める上段蹴りの名手です。

信じられない距離、間合いから左右自在に繰り出す上段回蹴は脅威です。

しかしTakagi初段は臆することなく接近戦に応じ激闘を繰り広げました。

 

7番手のSonoda(T)初段は大学生ですが、物心ついた幼稚園時代から空手を初め、現在まで中断することなく稽古を続け、15人組手を控えた実力者です。

Takagi初段はSonoda(T)初段がまだ茶帯の頃、上段回蹴を受けてガードの上腕を骨折したことがあります。

Sonoda(T)初段はパワーで押すタイプではないのですが子供の頃から身に付けた鞭のようにしなる上段回蹴りの威力は見た目以上で、不用意なガードはかえってダメージを受ける事もあるので要注意です。

この試合でも左右の鞭のようにしなる上段回蹴を放ってきましたが、Takagi初段もそこは計算済みで、自分の組手に徹することで対抗し、激戦となりました。

左 Takagi初段を得意の回蹴で攻めるSonoda(T)初段(右)

 

8番手は我孫子道場きっての実力者Ikeda2段です。彼自身も20人組手を控えており心身ともに充実しています。

離れても、接近しても鋭い突き蹴りの威力は変わりません。

スピード感、緊迫感ただよう組手で張り詰めた雰囲気となりました。

両者ともそれぞれの立場で素晴らしい内容でした。。

 

9番手はこの日のために遠征してきた目黒道場のと言うより東京道場の代表的存在であるNito2段です。

Ikeda2段同様20人組手を控えて充実した状態で臨んできました。

突き、蹴りともに威力があり落ち着いた中にも気迫は充実し、集中力は一瞬たりとも欠かせませんでした。

審査であることを意識し、血気にはやる行動は一切なくむしろ静かに圧力を加える攻撃でしたが、一発一発の威力はさすがで、Takagi初段はかなりの消耗を余儀なくさせらます。

しかし、その攻撃姿勢はいささかも後退せず、常に前にでる精神力は鬼気迫るものがありました。

 

左 Nito2段 右 上段突きで攻めるTakagi初段       左 Takagi初段の上段回蹴

上段蹴りで攻める Nit2段(右)

 

そして10人目は我孫子の破壊王アビ2段です。

常に攻撃精神で立ち向かっていくTakagi初段ですが、その体躯、技術、パワーを圧倒するAbi2段の戦車のような攻撃が始まりました。

もちろん十分にコントロールした範囲ですが、防具で保護された部位に関しては、一切の手加減は不要という現空研ルールにのっとり、深く静かに重い突き、蹴りが炸裂します。

さすがのTakagi初段も防戦にまわる場面が多くなりますが、一瞬の隙あらば反撃する気力はいささかも衰えていませんでした。

 

左  アビ2段の貫くような中段の重い突き。           左 アビ2段の重い回蹴がわき腹に食い込む。 

 

このあとまだまだ鬼のような2段がづらりと顔をそろえています。


11 Susuki(R)二段
12 Kitajima二段
13 Kawabe二段
14 Hayashi(パオ)二段
15 Okimura二段

 

 

 

つづく


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