壮年部新設・昇級・昇段審査規定の変更・特進制度

2019/07/20

現空研 理想の理念を追い続けて

現空研も昭和51年(1976)拳誠会発足から43年
平成4年(1997)現空研に名称変更して22年を経過するに至りました。
その間、試合方法やルール、昇段審査の基準等、長い経験から幾多の見直し改良が続けられ本日に至っております。
基本理念は、一言でいえば、
社会人としての日常に支障をきたさない範囲で武道として本人の最強を目指す、
というものです。
その理念自体は現在も変わっておりませんし、これから変える気持もありません。
また、その理念を実現するための稽古方法やルールも多くの試行錯誤をへて現在の形になっています。

ただ、会も長く存続すると、会員たちの年齢構成も幅広いものになってきます。
現在、少年部も含めて年齢は大変幅広いものになっており、いわゆるマスター世代の方も大変増えております。
そうした方々に、若くて元気な方々と同様な稽古を行うことは決して理にかなっているとは言えません。
現空研は生涯空手を標榜しています。
それを実践するためには年齢や環境、個々の資質や体調の変化にも対応したものでなければ長く続けることはできません。
今までも基本部などでそういった対応も少しは行っていたのですが、徹底したものではなく中途半端なきらいはどうしても拭えませんでした。
今回、今までの試みの問題点を顧みて、抜本的な変革を行いました。

現空研 従来の基本部の問題点

従来の基本部は、空手の基本(準備運動や基本稽古、形)のみを行い、原則として組手は行わないという内容でした。
しかし、実際に稽古をしてみると、全くの初心者に混じって今までリアルのフルコン組手をやっていた人がある年齢から一切組手から遠ざかるというのは現実的ではありませんでした。
一方若い頃はフルコンでガチの打ち合いをやっていてもしばらく空手から遠ざかっていて、10年、20年ぶりに復帰した人がいきなり防具着用のフルコン組手を行うのも無理があります。
基本部の概念が広すぎたのです。
年齢を重ねていても、何十年も空手を続けて来られた方と、マスター世代で初めて空手を始めた方、久しぶりに復帰した方々などを同一のジャンルに閉じ込める事は無理です。
それに空手抜きで通常の体力においても マスター世代は個人差がとても大きいのです。
ただ、元気ではあっても共通して言えるのは、怪我をしたり、疲労した場合の回復速度がマスター世代の方と若い人では大きく異なる点です。
これは、「社会人としての日常に支障をきたさない」という現空研の基本理念にも大きく関わってくる事です。
ですから、マスター世代の方の稽古はこの点を考慮することにしました。

新概念 壮年部の新設

今回、新しく壮年部という概念を新設しました。
なぜ、「概念」か。
壮年部は「入会するときに壮年部に入ります」、といった制度ではありません。
ここが従来の基本部と大きく異なる点です。
会員は誰でも一定の年齢を超えると自動的に壮年部の認定を行います。
しかし、稽古日や時間、稽古内容は変わりません。
今まで通り、皆と同じメニューで集団で稽古をし、組手も行います。
では何が違うのか。

壮年部の組手は「ライトコンタクト」と「寸止」を基本とします。
これは現在でも、怪我をしたり故障を持った会員が軽い組手なら可能といった程度の場合、良く行われていてそれなりの成果を上げています。
それを、故障時だけではなく、年齢も対象としてキチンと規則化するということです。
壮年部は原則「フルコン組手」を行いません。
しかし、体力や回復力は個人差が大きいのも事実です。
ですから、本人が希望する場合はフルコン組手も可能にいたしますが、原則「ライトコンタクト」か「寸止」になります。

壮年部の年齢の基準は原則として50才とします。(状況により変更します)

現空研昇級昇段審査の変更

壮年部の新設に伴って昇級・昇段審査の基準も変更します。
現在、現空研一般部は、昇級・昇段審査を基本・形・組手で行っています。
その基準は一般部において、年齢・経験に関係なく、主にフルコン組手審査に重点をおいたものでした。

10人組手、20人組手というものは、技術というよりむしろ体力、持久力、スタミナに重点をおくものです。
しかし武道の本質を考えた場合、高度な技術を持っている空手家は一瞬で勝敗を決する事も多く、必ずしも持久力、スタミナだけが勝敗を決するものではありません。
また、現空研会員の平均年齢も上がり、壮年部相当の年齢で高度な技術・力量は持っていても従来の多人数組手だけではその技量のレベルを図れないケースも考えられるようになりました。

そうした点を配慮して、今後昇級昇段審査の組手の基準を以下のように変更することにいたしました。

従来の
緑帯(4級)は3人組手
緑帯(3級)は4人組手
茶帯(2級)は5人組手
茶帯(1級)は6人組手
黒帯(初段)は10人組手
黒帯(二段)は15人組手(必須ではない)
黒帯(三段)は20人組手(必須ではない)

という基本は変わりませんが、
壮年部の年齢の者は、組手は寸止めで行い、試合時間は1分間とする。
また、壮年部ではなくても長時間の組手に怪我その他の健康上の問題がある場合は別途試合形式を考慮します。

なお二段以上に関しては、上記が目安になりますが多人数組手は必須ではない点は従来通りです。
大切な事は現空研の技や理念の理解度、現空研空手家としての立ち居振る舞いが段位に見合っているかどうかです。
今回特記したい事は現空研大会の成績その他の実績を考慮するように変更した事です。
具体的には、
現空研大会の無差別級優勝経験者、体重別クラスの優勝、その他の賞を多数回重ねた者で現空研経歴の長い者
また、現空研の運営・発展に特段の功績があった者。
稽古の参加回数、 合宿の参加回数の多い者。
100人組手やその他の現空研イベントで成績を残した者。
こういった実績を持つ者に関しては特進を含めた考慮を行います。

 



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