ヒット カウンタ

他流派大会へのチャレンジ その2

平成17年1月16日他流派の主催する競技会に現空研の会員3名が参加させていただいた。
この大会は中国武術の散打の大会である。

その中のNito(兄)の試合を分析してみよう。
Nito(兄)は身長が180Cmを超え、小柄な弟とは対照的である。

特技は高くて重い回し蹴と左右上段の連打である。
弟のような素早さはないが、一発一発に重みがあり、その威力は防具をしていても相手に十分効かせることが可能なほどだ。

現在は現空研の一級であり来月初段へ向けての10人組手を控えている。
今回の相手は少林寺拳法の有段者で体格もだいたい同じくらいの相手だ。

はじめの挨拶が少林寺拳法独特の合掌の形である。
この少林寺拳法の選手も基本のしっかりした感じで一発の重みは十分感ずることができた。

また接近してのフックなどで実戦的な稽古も積んでいることもわかる。
ただ、受けに関しては最初の一撃は基本通り完璧にさばくが接近しての連打に関してはあまり対策を行っていないように感じた。
現空研は、フルコン組手において自分の間合いに入った場合は、連続攻撃を行うというのが基本セオリーでそれができていないと稽古のたびに指摘されるので、皆そのテクニックはいやでも身につけている。
こうした点が顔面ありといった試合ではうまく歯車がかみあったのかもしれない。 

また、乱撃で培った相手の突きを紙一重でかわしてカウンターを放ったり、ダッキングで相手のフックを空切らせるようなテクニックも現空研の定番の技である。
そうした技術が典型的な発揮された場面を連続写真で解説してみたい。




はじめ Nito(兄):黒 対戦者:赤(合掌の礼) @Nito(兄)左の上段順突き

 


ANito(兄)の左が伸びる           B対戦者は左内受で対処


Cしかし、いさい構わず押し込むNito(兄)  Dすかさず右上段の突き、赤選手これも左内受。


Eしかし休まず連打するNito(兄)の左上段をまともに受け。F接近するとカギ打ちにスイッチするNito(兄)。


G頭がくっつくような距離での右カギ打ち  Hこうした接近戦でのカギ打ちも現空研の基本技。


@赤の左中段回し蹴に対してカウンターの右回し蹴を合わせるNito(兄)。Aしかしこれは不十分


@赤の振り回すような左フっクをダッキングでかわし。A体勢が崩れた所を左上段順突きの体勢に。


BCNito(兄)の順突きがヒットする。


D順突きだけでは終わらず          E右のカギ打ち(フック)で連打。


F                G                 H


I                 J                K

FからKまで自分の間合いになったら相手に反撃のチャンスを与えないように顔面への連撃を続ける。
散打では場外ポイントがあるのでそのまま場外へ押し出す。


@赤選手の左上段突きを外側に外し     ANito(兄)左上段のカウンターを放つ。


Bカウンターの左上段がヒット。       C赤選手は右フックで反撃。


D赤選手のフックをダッキングで殺す。   E距離を取ってタイミイグの取り合い。


FNito(兄)飛び込みざまの左上段突き。  G左上段突きがノーガードの相手に炸裂。


@赤選手の強烈な右フック。  Aそれをダッキングでかわしてタックル気味に中に入る。


ANito(兄)バックを取る。           B散打ルールで場外への押し出し。


互いに礼。赤選手は少林寺拳法の礼法に則った合掌。 そして互いの健闘を称える。

勝ちポイントを先取したNito(兄)が勝利を得る。
少林寺拳法の選手も力感あふれる左右のフックも持っていたが、基本的には飛び込み際の一発にかけていたようで、接近してからしつこい現空研式のような連打には慣れてないのか、その点で明暗が分かれたようである。

しかし今回はたまたまうまくいったが、次回対戦すれば、相手選手もそれなりの対策は練ってくるであろうし今回と同じ結果になる保証はない。
この少林寺拳法の選手は挨拶も少林寺式できちんとしており、試合中の態度も堂々としており好感が持てた。

流派は違っても同じ武道を追及するもの同士心は通じ合うものを感じた。

Nito(兄)の課題としては、全体にもう少しリラックスし、得意の中間距離からの蹴り技をもっと効果的に使って欲しかった。
初めての経験ということで硬さもあって、上段突きに頼りすぎたきらいがあったのが惜しまれる。

Nito(兄)は、初めての今大会で優秀選手賞をいただいた。
この経験を生かして来月の10人組手の完遂を目指してほしい。

つづく

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