ヒット カウンタ

空手家の酒の席の心得 その3

こんどは空手家が女性の場合です。
女性蔑視というか軽視というか世の中には女というだけで馬鹿にしてかかる男がいます。

女性で空手をやっていると知ると、
「へぇー君空手やってるの、こんど勝負してみようよ、ただし二人きりでねへへへ」

なんて、からんでくるのがいます。
中には「こんなことされたらどうする」なんてわざと抱き着いてくる変態もいます。

私はこういう場合は女性空手家は男を殴り倒して良いと思います。
しかし、それだけの実力がなければもっと悲惨な結果になることもありますから、相手の実力と自分の実力を冷静に勘案して実行して下さい。

飲み会のように大勢がいる場合は、思いきって顔面に突きをいれます。
そして、すかさず「この変態ヤロー」と皆に聞こえるようにアピールします。

こんな男は男同士でもニガニガしく思っている男が必ずいますから、すぐあなたの味方が現れます。
いずれにせよ、誰かがかならずマアマアと中に入ってきますから、あなたはきっぱり殴った理由を宣言すれば良いのです。

ただ、あなたの味方が一人もあらわれないだろうなぁと思われるような腐った集団であれば、まずそこに居ることを後悔しなければなりませんが、とりあえずは無視してガマンしエスケープするか、敢然と立ち向かうかを現実的な尺度で判断しなければなりません。

いかに空手の有段者であっても、女性と男性では基本的な体力が違います。
しかも、どんな変態軟弱な男でも女には負けられないというメンツがかかっています。

まあ、考えてもみてください。
「あいつ昨日忘年会でチョッカイかけた女の子に殴りたおされたんだってよ」

なんて会社で言いふらされる屈辱を想像するだけでも死ぬ気で反撃してきます。
ですから、一旦事がはじまったらあなたも死ぬ気でかかってください。

たとえ道場では子供扱いできるような初心者でもメンツがかかった男をあなどってはいけません。
ルールある試合ではなく、喧嘩ということになれば、動物としての男の本能を肌で感じるはずです。

ですから相手がひるんでも、完全に倒れるまでひたすら顔面に突きをぶち込みます。
巻きわらを叩く要領で良いでしょう。

素手で人間の顔を本気でなぐりますと、翌日は手はグローブのようにはれあがります。
防具を付けた組手で本気で殴るとわずか数発でも手がはれてしまうでしょう。どんなに鍛えた拳でも。

あれのもっとすごい状態に例外なく、なります。
あ、これはもちろんあなたの突きに威力がある場合の話ですよ。しろうとは、はれませんパンチ力がないから。

相手が心配だって。

必要ありません。相手が特別病弱か特殊な持病を持っているのなら話は別ですが、そんな人はふつう空手をやっているあなたに向かってきたりしませんよね。

大切なことはタイミングです。
痴漢まがいのことをされたとき、10分も20分もぐずぐずやっていてはだめです。

へんなことをされたら、迅速に行動に移して下さい。
屈辱的な言葉をあびせられたら、1秒も間をあけてはいけません。反射的に平手打ちを出すことが広い意味で礼儀です。

男の暴言に対しての女性の平手打ちは重さとしては対等だと思います。まあ返礼のようなものです。
ここで、分けが入っても、あなたは多少は腹の虫が納まるでしょう。

分けが入らなければ、宣戦布告ですから、あなたは平手を拳に変えて思いきり、しかし道場と同じようにリラックスして突きを入れます。間違っても寸止めしないように。

うだうだしているうちに反撃の機会を失い、なし崩し的に状況を受け入れてしまうという形が最悪です。

私は、女性は自分の身を守るとための物理的な行動は許される範囲が男より広いと思っています。
そしてこれは良心的で建設的な人々の社会的なコンセンサスではないでしょうか。

ただ、一つ心しておいてほしいことがあります。
男は女が考えるよりはるかにメンツにこだわる生き物であるということです。

倒した相手がどんなに「くず野郎」だと思っても、
「フンこのチカンヤロー」などと、すてステぜりふを言ってはいけません。

せいぜい
「あんたタフね、私本気になっちゃった」
程度にします。

多少反撃でもしたのなら
「やるわね、見なおしたわヨ」
なんて、メンツを立ててやると別の友情が生まれるかもしれません。

もちろん上下関係は逆転していますから、それを続けるかどうかの決定権は全てあなたにあります。
これもやさしさの一つです。

強ければやさしくなれるでしょう。
私は男も女も心やさしい人にこそ空手を覚えてほしいと思っています。

心やさしい人が強くなれば、その人は主体性を持ってやさしく振舞うことができます。
心やさしくても弱ければ、理不尽な暴力にそのやさしさが踏みにじられることがあるのです。

「弱くても良い」といった弱さを売り物にする主張には、正義から目をそらす「逃げ」の体質を感ずるのです。

普段から、
「俺は弱い人間なんだー」
って宣言しておけば、どんないやしい行動をとっても、

「だから俺は弱いって言ってるだろー」
という逃げ口上を用意しているようで私はそれがいやなのです。

弱い弱いと卑下しているやつに限って逆上するととんでもない行動を起こすという事実は皆さんも思い当たることが結構あるでしょう。

ことさら「弱い弱い」って言わなくても、人が弱いってことは誰もが知っていることです。
人間は皆弱いのです。

やさしくなるために強くありたいと考え、そうなれるように努力している。
こういう人を私は評価します。

女性空手家は、酒の席ではやさしく、
が極意です。

しかし、君子豹変も大きな意味では「やさしさ」、ということはあらためて言う必要はないですよね。
お酒は楽しく飲みましょう。


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