ヒット カウンタ

入会前のQ&A その2

更新 2009/05/30



ピアニストです。
中略
ピアノを弾く指の怪我が心配なのですが現実問題としてどの程度のリスクでしょうか。
ピアノも趣味とされている先生のご意見をお聞かせください。

ピアノを職業にしているかどうかで判断が変わってきます。
一般論として、空手の稽古において突き指程度の怪我を長期にわたって100%防ぐことは不可能です。
プロのピアニストであれば、こうした怪我があれば即仕事に差し障りがでるのですから、とても大丈夫ですから空手をおやりなさいとは言えません。
ただ、こうした怪我の問題は空手だけではありません。
他の武道やスポーツと比べた場合、空手が際立って危険な部類のものでしょうか。
適切な安全管理を行っている道場での稽古は、野球やバレー、バスケットなどのスポーツと怪我という面では大差ないと思います。
後はあなたの生き方というか人生観での判断になります。
私はプロのピアニストではないのですが、コンピュータのキーボードを叩いたり指先の怪我はやはり大変な支障をきたします。しかしこのために空手を止めようと考えたことは一度もありませんでした。

※参照 怪我について 


心臓の軽い持病があるのですが、お医者さんに空手が可能かどうかを相談したところ「無理をしない範囲で、頑張ってください」と言われました。
現空研の空手はこの範疇にはいるでしょうか。

これは、答えになっていないですね。
そもそも、「無理をしない」とか「頑張る」ということは、相対的な言葉であって、定量的な基準を表す言葉ではないのです。
その上、意地悪く言えばこのフレーズは言葉としても矛盾してます。
「無理をしない」ということは頑張らないことですし、「頑張る」ということは無理をするということです。
お医者さんは悪意で言っているのではないでしょうが、これは何も言っていないのと同じです。
ただ、絶対ダメというような重篤な状況ではないということなのでしょう。
心臓の問題であれば、あなたの心拍数の上限がどの程度であれば安全なのかを専門医に確認して下さい。
効果的トレーニング心拍数としては一般に次の式が用いられます。

{(220−年齢)−安静時心拍数}×運動強度(%)+安静時心拍数
55〜65%:脂肪燃焼ゾーン(有酸素)
65〜85%:有酸素ゾーン
85%以上:無酸素ゾーン

空手の基本稽古はおそらく有酸素ゾーンであり、初心者にとっては組手は無酸素ゾーンに近くなると思います。
例えば40歳で安静時心拍数が60で運動強度を仮に70%だと仮定すると、144拍/分がターゲット心拍数ということになります。
「144拍/分くらいの心拍数なら大丈夫です」ということなら、基本稽古は大丈夫ということになり、
無酸素ゾーンの85%で計算した162拍/分でも大丈夫ということなら、組手もOKということになります。

なお、リアルタイムで心拍数を計る時計のような機械が販売されています。(私も持っています)
そんなに高価なものではないので、こうした機械を身につけて心拍数をモニタしながら稽古するのも一つの方法です。(私は自分のデータを取るため何度かやってみました)

「よく痛みに耐えて頑張った」というのは流行語にもなった言葉ですが、痛みに耐えて頑張ることは訓練のためには必要なことでしょうか。

痛みに耐えて頑張るということは、それが訓練として有効な範囲であれば意味のあることです。
例えば、効果的な筋力トレーニングを行うのであれば、限界まで追い込むことは必要なことであり、痛みを伴うことも少なくありません。
しかし、骨折していたり、腱を切ったりという重大な怪我を負ったがための痛みであれば、これに耐えて頑張るということは百害あって一利なしです。
頑張るという精神力は大変評価しますが、指導者は、競技者の痛みに対する頑張りが将来に向かって有益なものなのか有害なものなのかを良く見極めて判断する事が重要です。
選手生命を絶つような不健康ながんばりを強要するような傍観者が多い社会は私は好きではありません。

現空研は、前から気になっている道場でいつか入会したいと思っていました。
しかし、最近の「昇段審査の動画」を拝見すると上段蹴りが頭部をヒットしているシーンがありました。
正直、こんなハードな組手を毎回行っているとしたらついていく自信がありません。
せっかく東京に道場が開設されるということなのですが、迷っています。

まず、お断りしておきたいことがあります。
現空研では(他の多くの道場でもそうだと思いますが)普段からフルパワーのフルコンタクト組手を毎回行っているわけではありません。
特に、顔面に関しては毎回、直接振りぬくような蹴りは行わないように厳重に注意しています。
また、普段の組手は寸止めあるいはライトコンタクト(軽い接触)が主体であり、フルコンも中級までは防具着用です。
安全性に関しては常に最細の注意を払っています。

次に、昇段審査の動画の内容ですが、ホームページにも注意書きしてあるとおり派手なシーンが多くなっています。
しかし、注意深く観察してください。
頭部に軽く接触しているシーンはありますが、全て振りぬく蹴りではありません。
直前で止める蹴りです。頭部に重篤な障害を与えるような蹴りではありません。
稽古においては生理的に安全に、しかし、技としては有効な技術を身に付けるというのが現空研の方針です。
もし、不安がおありでしたらぜひ見学においで下さい。そうした心配は払拭されると思います。



トップページへ