ヒット カウンタ

恐い顔が原因で辛く当たられる。



はじめまして大阪の40歳代の男性です(匿名でお願いします)。
よく貴道場ホームページを拝見しております。

早速ですがこの度、某打撃系武道(初段)を大学以来約20数年ぶりに自宅近くの道場で再開しました。
その道場の指導員の先生(50代)の事なんですが…、私に対して何故か敵対心丸出しで接してこられ弱っております。

「顔が恐いだけで弱い奴なんかいくらでもいてる」
とか
「身体が大きくても弱い奴は弱い」「組手がいくら強くても町での喧嘩となると恐がって何も出来ない奴がいる」
等々、
冗談じゃなくてイヤミったらしく本当に真剣に言ってこられます。

たしかに私の顔はよく恐い顔してると言われますし身体も大きいですが(180cm100kg)。
生意気な態度をした事もないですし、親子ほど歳の離れた若い道場生にも、その道場では先輩ですから敬語で接しています。
何が気に食わないのか悩んでおります。

この悩み以外は道場の場所、練習時間帯、他の先生、道場の雰囲気、全て良しですので、この道場をやめたくありません。
この先、この先生とどのように接していけばよいのか御助言頂ければ有り難いです。
どうかよろしくお願い致します。
それでは失礼致します。

          

なんか、おもしろい相談ですね。(失礼)
ひ弱な高校生あたりが学校でいじめられているような内容が180Cm、100Kの恐い顔をした大男からのメールなのですから。
しかも、ただ外見だけが恐いのではなく初段という実力の裏付けもある。

いやみを言われる先生は一人だけなのですか?
他の先生とはこうした変な関係ではないのでしょう?

ますます分かりにくいですね。(というか分かるのですが・・・・)
あなたが強面で態度が高飛車ということであれば、他の先生からも反発を食うでしょうからそうではないと思います。
まず、第一こんな相談をメールでよこすくらいですからあなたは見かけによらず繊細な方なのでしょう。

結論から言えば、まったく心配することはありません。
その先生が強くて頑固なタイプだったら貴方を試すためにわざとそういう接し方でこられているのかもしれません。
あるい単純な誤解か。(多分こちらでしょう)

とりあえず攻撃は口だけなのでしょう?
貴方は何ら敵対心をお持ちでないのなら、しばらくすればすぐ落ち着いてきます。

私も、むかし、こいつは絶対不良であると確信した若い道場生に対して指導員に「あいつらには注意しておけ」と言ったことがあります。
車体をペッタンコにしたシャコタンの車に乗ってくる坊主頭の二人はどうみても私から見てヤンキーそのものだったのです。

しかし、こいつらは本当にまじめで、やさしく、しかもガンバリ屋でその後黙々と稽古を重ねてそのうちの一人は今は黒帯で若者を指導しています。
しゃべってみるとこれ以上の善人は世の中にいないといったすばらしい若者でした。
たまたま乗っていた車や職業が土建関係なのでその服装などからの誤解でした。
今では笑い話です。

顔も良くみるとかわいいことに後から気付きました。
現空研には外見と中身がぜんぜん違うという人は他にも大勢います。

大体外見がいかつい人は中身は繊細な人が多いのです。
私もそうです。

今回の内容はとにかく、時間がすぐ解決します。
あるいはもう既に解決すみではありませんか。

実はこの相談のメールをここでとりあげたのはこの質問者に解答することが目的ではありませんでした。
(質問者の方ごめんなさい)

人は外見によらず皆弱いということを言いたかったのです。
どんなに強そうに見える人でも、感性は皆同じです。

というか、強そうな外見のせいでこの質問者のように必要以上の外圧を受けることだってあるのです。
私も子供のころ4月生まれということもあって、常にクラスで一番大きなグループに属していました。

体が大きいというだけで、喧嘩の強い他のクラスの者の挑戦を受けたり、集団で襲われたりすることもありました。
ひ弱そうな者はそれだけでいじめの対象になったりすることがありますが、強そうに見える者もまた、こうした災難にあうことがあるのです。

強さ、弱さといったものは最後は感性の問題であり、究極的には精神の問題です。
気持ちが折れた人間はどんなに肉体的に強くても弱者です。

武道はこうした人間の弱さを白日のもとにさらけ出し、自分及び他人を客観的に評価できる感性を養うことができるという大きな副次作用を持っています。

どんなに強い(と思っている)者も、世の中にはとてつもなく強い人が沢山いて、自分の無力さをいやという程味合うこともできますし、どんなに弱い(と思っている)自分でも稽古を重ねることによって強くなっていくことを実感できます。

もちろんレベルの差はありますが、建設的な意味で人(の感性)は皆同じなんだなあ、という実感を持てるのです。

今回はこうした強そうな(実際強い)方の生の声(悩み)を聞いていただくことでこれから武道を志す方へのよい励み(?)というか指針になるなという思いで取り上げさせていただきました。

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