ヒット カウンタ

空手やりたいんですが組手が不安です


はじめまして、いつも現代空手道研究会のホームページを見ています。

小さい頃から、格闘技にはあこがれていました。
いつかは自分もやりたいと思いながらチャンスがなく、社会人になった今もテレビでK1やボクシングのタイトルマッチなどの観戦を楽しむのが精一杯です。
しかし、最近このままで良いのだろうかという思いがだんだん強くなってきました。
ダメでもともと、一度道場の見学に行ってみようという気持ちになっております。
どうせやるなら、今までホームページの更新を毎回楽しみにしていた現代空手道研究会の門を叩こうと思っております。

そこで質問なんですが、

私は現在40代なかばの年齢で、運動はもっばらテレビ観戦のみで実際にスポーツで体を動かしたという経験が殆どありません。
こんな人間でも空手を始めるということが可能でしょうか。

それと、ホームページの10人組手や6人組手の話は、毎回見るときは大変わくわくしてまるで小説を楽しむように読んでいるのですが、実際自分が行うかと思うと、正直恐いというか不安がよぎります。
また、動画のシーンも、いままで傍観者として見ているときは面白く、ただ「格好いいなあ」ぐらいに思っていたのですが、いざ自分がこの道場に飛び込むとなると、急に現実感が恐さになって、果たして自分でもやっていけるのだろうかという不安で一杯になります。

こんな私でも現代空手道研究会でやっていけるでしょうか。
もし足らないことがあればどういった事でしょうか。
ご回答いただければ大変ありがたく思います。

現空研で空手を始めようと思われる方で、年齢や体力に自信がないとおっしゃる方は結構大勢いらっしゃいます。
空手という武道の中でも「突き」や「蹴り」といった激しい運動を伴う格闘技を今からやろうと思えば、心配するのはきわめて自然なことです。

現空研は、その理念に「稽古において十分な安全性が確保されなければならない」ということを明示してあるように、怪我や事故に関しては細心の注意を払うようにしていますし、そうしたシステム作りに留意しています。

まず、年齢に関してですが、武道としての空手は年齢で制限されるべきものではありません。
それは、若い頃から始められた方でも、遅く始められた方でも同じです。

武道としての空手は、技術よりもむしろ「生き方」としての空手道を追及することですから、年齢は関係ないのです。
その年齢に応じ、また自分の体力や体格をどう生かしあるいはどう補い、自分の空手を組み立てるかと言うことを終生の課題にすべきだと私は考えています。

体力は空手の稽古を積むうちに自然に付いてきますし、自分が必要とする体力や不足している個所を具体的に把握できるようになりますから、補助的なトレーニングはそれから初めても決して遅くはないのです。

また、組手の件ですが、組手はどんな人でも恐いのです。
これは、フルコンでなくても、どんな安全な防具を着用していようが恐さはあります。

「戦い」というのは、人間にとって本能的な行動で、その背景は本質的には自分の生存の可否がかかっているわけですから、「恐さ」がないはずはないのです。

「恐さ」というのは、確かにこれから空手に取り組むうと思っている人にはマイナス要因なのですが、私はこの「怖さ」に立ち向かう姿勢が実は一番大切なことではないかと思うのです。

逆に考えると「恐さ」が全くない空手とはいったいどんなものなのでしょう。
もしそんな空手があるならば、それはもはや武道とは言えないでしょう。

武道が他のスポーツと最も異なる点は、常に生死を意識しているところです。
生死を賭けるという視点がある以上「恐さ」と無縁でいられるはずはありません。

この「恐さ」言い換えれば人間の弱さを克服することに武道の意義があり、空手も例外ではありません。
むしろ大いに「恐さ」を感じ、それを克服していって頂きたいと思います。
その過程が修練、鍛錬と呼ばれるものでそれによって、強い人間へ変身していけるのです。

とは言っても「恐さ」の克服が「危険」を伴うものであってはならないというのが現空研の考え方です。
「恐怖」と「危険」は混同視されがちですが、実はまったく違います。

恐怖を感じても実際には危険ではない事は沢山ありますし、逆に恐怖はあまり感じなくても危険な事も少なくありません。
防具を着用することにより危険度は低くなりますが、恐さは決して減らないということは「強くなるには」「1ランク上の空手」でも様々な角度から解説しておりますので参照してください。

恐さを克服できる精神力のことを勇気といいます。
勇気の獲得こそが武道の目的であるといっても大きな間違いではありません。

空手の世界に限らず未知の世界に飛び込むには、どんな人でもある程度の「恐さ」を感ずるのは当たり前です。
しかし、きちんとした管理体制で稽古を行っている道場は決して「危険」ではありませんので、勇気を持ってまず飛び込んでみてください。

やがて、そこに「恐さ」を遥かに上回る「楽しさ」もあることに気が付くのにそんなに時間はかからないと思います。


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