ヒット カウンタ

覚醒剤中毒の弟に絡まれました


園田先生
はじめまして。

一月ほど前、覚醒剤中毒の弟に絡まれました。
弟は2年前、覚醒剤乱用で鑑別所にも行ってます。

(今回は)特に何も起こりませんでしたが、最悪格闘になることも覚悟しました。
(覚醒剤中毒者は)あまり痛みとか感じないような話を聞いたことがあったので、かなり怖かったです。

テレビや窓ガラスを壊すなどした上、私の嫁さんをどうこうするとか、家に火をつけるとか言って、酷い錯乱状態でした。
だんだん狂暴なことをするようになってきてると感じます。

その後、弟は精神科に入院し、比較的落ち着いた状態で戻ってきました。
(刑務所も手狭なので、警察に病院を勧められました)

意志の弱い弟は、覚醒剤をやめることは出来ないでしょう。
そしてまた、もっと強暴な状態になるという確信みたいなものがあります。
(こういう人間でも檻に入れておくことは出来ないのです)

自分の家族を守るため、出来ればこんな弟でも助けるため、強くならなくてはと思いました。
何か護身術をはじめなくてはと思って、見つけたのが中空と現空研でした。

・・・・・・・・・・
さらにどこかの道場に通いたいと考えています。
現実的には○○県に住む私が、現空研を学ぶのは不可能です。
・・・・・・・
○○○○(http://www.・・・・・・・・)と言う団体をご存知でしょうか?
先生から見ていかがでしょうか?
・・・・・・・・・・・・

現空研のHPでも勉強を続けさせて頂きます。
それでは、失礼します。

身内にこうした問題を抱えておられる方は意外に多いものです。
覚醒剤といった極端な例でなくても、酒癖が悪い、あるいは家庭内で暴力を振るう夫や子供がいるといった方々です。

私の周りでも、幾つかそういった例を見聞した事があります。
こういった問題が起きた時、一番最初に頼るのは警察ですが、トラブルが家族であると警察は途端に消極的になります。

警察の側からみれば確かに身内のトラブルへの介入は色々な問題があって難しいのでしょう。
次に、学校や病院、公的な相談所を頼るという順序になるのですが、最近マスコミでも取り上げられるように、なかなか抜本的な処方箋は出してくれません。

あるテレビ番組の特集でたまたま見たのですが、子供の暴力に対して、無抵抗を続けなさい、とアドバイスしていたカウンセラーがいたのには驚きました。

いじめの問題でもそうですが、「無抵抗主義」で成功した例は少なくとも私は直接には知りません。
そういったアドバイスをされる方は、そのアドバイスをする根拠をどこに置いているのでしょうか。
ご自分の体験でしょうか、それとも何らかの統計データをお持ちなのでしょうか。

同じ無抵抗主義でもガンジーのように、確固たる信念を持ち首尾一貫した行動であるのならそれなりの評価はできます。(私は好きな考えではありませんが)

しかし、このときのカウンセラーの話やそれを実行した父親にはそうした確固たる信念は感じ取ることはできませんでした。
「相手を刺激しないようにして、様子を見る」といったニュアンスが強く、なんて弱腰なんだろうとういのが私の感想でした。

突然病的な暴力を振るう人に対する対処としては、それが薬剤や酒が原因でなくとも、無抵抗でいるというのはとても危険な選択です。

それは、こうした暴力を振るう人は決して全ての判断能力を失っているわけではないからです。
殆どの場合、その暴力の矛先は弱い者に向かう事からもそれがわかります。

その上、その弱い者が輪をかけるように無抵抗になったのなら、まさに暴力を振るう側にとっては渡りに船の状態になることは誰が考えてもわかりそうなものです。

不良少年たちの告白で、弱い者をいじめたり、暴行を加えていると、相手が無抵抗だと、余計に腹がたったりムカついて、ますます暴力がエスカレートしていき、自分でもまずいなと思っても自制がきかなくなる、といった話を何度も聞きました。

私は多くの暴力(言葉の暴力や性的な嫌がらせも含めて)は、最初は小さな芽ができ、それを初期の段階で適切に処理しないことにより、だんだんエスカレートしていくという経過をたどるような気がします。

この相談者の方が、この先もっとエスカレートしそうな確信みたいなものがある、とおっしゃる事は残念ながら正しいと思います。

話が単なる暴力ではなく、覚醒剤まで絡むと、これは一般的な話の範疇には収まりませんが、あえて一般論で語らせていただければ、「自分が強くなる」ということが一番大切なことだと思います。

これは、微視的に、相手が殴りかかってきたら、空手の技で対抗すれば良い、といった議論ではありません。
自ら、自分や家族、隣人を守ろうという気概が必要なのです。

空手をやろう、という決心をされる事自体が、こうした前向きな考えの現れですから、相談者の方は、既に第一歩は歩みはじめられたわけです。

こうした気概を持った人は、それだけで特に特別な行動をしたり言動をはかなくても、不思議にある種の「力」を放出するものです。
一般の(善良な)人は特に感じなくても、暴力を振るったり、よくないたくらみを持った人間は意外に敏感にこうした力は感じ取るものです。

そして、現実に空手などの武道で実力もついていけば、ますますこの傾向は顕著に見られるようになり、理不尽な暴力に対する大きな抑止力になります。

もちろん、これで全てが解決するものではありませんが、武道がこうした問題に対して縁の下の力持ちのような作用を果たすことは間違いないと思います。

ぜひ、空手をおやりになる事をお薦めいたします。

なお、これから始めたい○○○○という空手の流派に関する私の意見ですが、ホームページを拝見した感じは良い印象を持ちました。
しかし意見を申し述べる程の知識やお付き合いもありませんので、それ以上のコメントはご勘弁ください。

大変な状況であること、その心労をお察しいたします。
どうぞ、ご自分の家族を守るため、よりよい解決をめざして頑張ってください。


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