「子供の教育について」を読んで

 2013/03/06


はじめまして。
「子供の教育について」「ある音楽家の感想」を読んで、大変、感動しました。

私は、新中1の息子を持っていますが、その子に小学一年生から、ピアノを習わせてきました。
何度も、何度も「やめる」「やめる」と言うのを、なだめ、叱り、励まし、なんとかやってきました。

息子は、活発、好奇心旺盛で、ジッとしていられない性格です。
学校でも、近所でも、いわゆる問題児の部類です。
そんな子に、嫌がるピアノを無理やり習わせているのですから、普通の子が習うよりも、非常に大変でした。

学校で、問題を起こすたびに、担任の先生からは、
「そんなに習い事をさせているから、ストレスがたまって、学校で暴れるんでしょう。」と言わんばかりに、遠まわしに言われたり、ご近所でも、「本当に、あそこのお子さんはかわいそう、嫌がるのを無理に習わせているんだから。だから問題を起こすのよ。」と陰口を叩かれているのも、薄々感じていました。

でも、私は、そうなればなるほど、やはりこの子には何か、特技を身につけさせないと・・・と思いました。
でも、四面楚歌でした。

何も言わなかった夫も、中学受験を目の前にして
「いつまで、ピアノをやらせるんだ?上の学校を目指すなら、ピアノをやめて、塾のコマを増やすべきだ。ピアノでメシが食えるのか?」
と言われた時には、もう続けるのは無理か・・・とぐらつきました。

ギリギリまで、なんとか踏ん張り、受験直前3ヶ月だけお休みし、受験終了後ピアノを再開させました。
しかし、3ヶ月休ませたら、また復帰するのに一苦労でした。
久しぶりの楽譜に、指も、頭もついていかず、ますます息子の「やめる」はあれこれへ理屈をつけて、激しくなりました。

そこで、ネットの検索で「ピアノ 続ける」で、ひいたところ、あなた様のHPにたどりつきました。
やっと、私の言いたいこと、聞きたかったことが、ズバリ書かれている文章に出会い、やはり私のやってきたことは正しかったんだ・・・と嬉しくなりました。
いつまで、私の頑張り、忍耐が続くかわかりませんが、私の背中を押してくださる文章に、感謝します。

一言、感謝の気持ちを伝えたく、メールさせていただきました。
ありがとうございました。


メール拝見しました。
いろいろご苦労されていますね。

でもあなたのおやりになっている事決して間違っていません。
これからも自信をもって行動してください。

ピアノを続けるか否かはお子さんが中学生になれば、強制的にやらせることが難しくなるかもしれません。
その時は一時的に休戦状態になっても仕方がないと思います。

その時は「止める」のではなく「休む」という事を明確にしてください。
何度か休む、再会を繰り返すかもしれません。

しかし中学三年以上になったら多分今と状況は少し変わって来ると思います。

音楽は中学の高学年から大学生になる年頃に一番本能に響いてくるからです。
大学生になってからピアノをやりたくなった人は山ほど私は知っています。

もちろん大学生からでも不可能ではありません。
私の知り合いで大学生からピアノをやりはじめジャズ喫茶で演奏するくらい上手になった人も知っています。

しかし残念ながらそうした人はごく少数で、子供の頃からやっていた人には大抵の人は足元にも及びません。(実は私は大人でもピアノを弾けるアイディアを持っているのですがある程度の苦痛を乗り越える気力が必要。→10人組手完遂者ならできるだろうと思っています。)
同じ楽器でも種類によって大人から始めても間に合うものとそうでないものがあります。

ピアノやバイオリンはまず子供の頃からやっていないとだめです。
そしてピアノが弾けると言うことは楽譜も読め、他の楽器もやりやすくなりますし音楽の世界が眼前に大きく開かれるのです。

教育は、ほめる教育や叱る教育いろいろ技法があるようですが、そんなものはどうでも良いのです。
あなたがほめたい時はほめ、叱りたい時は叱れば良いのです。

私もそうであるように聖人君子でもないかぎり自分の本心と違ったほめ方や叱り方が長く続くわけがありません。
私は子供に空手を教えるとき、良い時は大声で褒め、悪い時は一喝することもあります。
全て本心からです。

子供にどう思われるかとか、近所にどう思われるかとかそんな事はどうでも良いのです。
というか回りの人はそんなに他人の子供の教育なんて関心はないのです。

一時話題にしたとしても10年間覚えている他人なんて一人もいません。
子供は稽古事の恩恵を一生受けて生きていけるのです。

やがて大人になって親の本心が理解できる年齢になった時わかってくれます。

ここで教育の本質を言います。
子供の教育は、もし自分が子供に戻ったとしたらどんな教育を受けていたかったか、という一言に尽きます。

子供の頃ピアノの教えてもらっていて大人になってスラスラと楽譜を読んでピアノをひけたらなあ、とかあるいは子供の頃外国に行って英語教育をうけていま外人とペラペラと会話ができたらなあと思っている大人は大勢います。

自分が昔の自分にして欲しかった事を現在してやるのが教育です。
これが本当の愛情です。

今は嫌われても疎まれても悪口を言われても良いのです。
自分が死んだ後感謝してもらえればそれで十分ではありませんか。

私は今は亡き父と母に死ぬほど感謝しています。

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