ヒット カウンタ

中高年からの空手

空手をある程度の年齢から始めることは可能でしょうか。
もちろん可能です。

が、若干の注意と工夫が必要です。
空手を稽古する上での若い人と年配者の一番の差は、回復力の差です。

回復力というより、一旦、疲労したり消耗あるいは損傷した肉体が回復するまでにかかる時間の差です。
社内運動会で張り切ってリレーに出たり、綱引きを行った翌日、若いころならすぐ筋肉痛になったのが、2,3日後から妙に痛くなってくる。これは、ある年齢以上になると皆共通に経験することです。

つまり、筋肉の変化や反応のタームが長くなってくるのです。
ある日中高年のあなたが突然現代空手道研究会に入門したとします。

初日に多少の緊張と期待もあって張り切ってしまいます。
でも難なく初日は通過しました。

でもここ何年も腕立て伏せすらやったことのないあなたはわずかな体操程度の運動でもお決まりの筋肉痛にみまわれます。
多分1週間くらいは続くでしょう。もし1週間で回復しなかったら。次ぎの週は休んでも構いません。

痛みが回復したら2回目の稽古に行きます。基本的な突きと蹴りの型だけの稽古ですが、今度も多分、1週間では回復しません。
でも4,5回稽古に行けば、十分1週間で回復するようになります。

その間の軽い筋肉痛はある種の充実感を伴うようになってきます。
柔軟体操もそうです。

最初から又割りなんかできっこありません。少しづつやっていくのです。

痛みとは体からの信号です。
痛みがあることで脳は筋肉に負荷がかかったことを知ります。

脳は、筋肉修復のプログラムの実行にとりかかります。
痛みが存続するかぎり修復動作を続けます。

痛みが無くなれば、脳は修復が完了したと認識します。
プログラムは停止です。

そのとき、また稽古します。つまり筋肉を傷めます。
すると筋肉は痛みを発します。

脳はまた修復プログラムを発動します。
修復を積み重ねることで、過剰修復が起こります。つまり機能の向上です。

鍛練とはこのサイクルを続けていくことです。
鍛えるとはこういうことなのです。

この原理は空手だけに限りません。
ゴルフだって、初心者にとっては、大変な運動です。

どんな空手の猛者でも始めてゴルフをやった次の日には強烈な筋肉痛に見回れます。
それはいままで使ったことのなかった部位の筋肉の痛みです。

でもこれはその部位の機能向上のシグナルです。
最も効率的な鍛練は稽古と稽古の間中、心地よい痛みが存続し、丁度次ぎの稽古のころ痛みが無くなっているという程度の負荷を筋肉に与える稽古量です。

中高年であろうと若者であろうとこの原理は同じです。要点は稽古量とインターバルの効率的な設定です。
1週間というのは、中高年にとっては最も適したインターバルではないかという実感を我々は持っています。

逆に若者にとってはちょっと長すぎるインターバルかもしれません。
しかし、足りない分は自分で補うことはいくらでも可能です。

稽古は道場だけで行うものではありません。
ダンベルを仕事机の脇に置いておいて、仕事の合間にちょっとした筋肉トレーニングを行うといった補助的な稽古は、ものすごい効果を生みます。

要は、自分にあった運動量とインターバルの設定にあります。
理想的な運動量は、次ぎの稽古日に、完全に回復する範囲で最も負荷のかかる運動、とういことです。

疲労や痛みが蓄積するのはオーバートレーニングといって、決して良い結果を生みません。
また、次ぎの日まるで筋肉痛も疲れもないという量は、その人にとっては軽すぎる運動量です。

心地よい筋肉痛と疲労、それに完全な回復。これが中高年とういよりすべての人にとっての最適運動量のキーワードです。

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