ヒット カウンタ

警視総監と飲んだ



平成18年6月16日は私にとっても大変記念になる日となった。
警視庁のトップ警視総監と酒を酌み交わす日となったからである。

現、警視総監の伊藤は修猷館高校の同窓である。
昨日修猷館の総会があったのだが、そのあと42年卒の悪友が集まって伊藤の警視総監就任祝いをやったのである。

幹事は京都大学空手部出身の土居(住友ステンレス鋼管社長)で、取りまとめは井上。
そして我孫子道場のSiba2段(千葉県警) の父親、司馬(株式会社フローリック取締役)は、変な書体で横断幕を作ってくれた。
紅一点の川崎(旧姓篠隈)さんは、有名女子大の教授。


左より司馬、伊藤、川崎

場所は銀座の「銀座BRB」というしゃれたクラブである。
ここは、同じく幹事の栄の手配で、慶応大学出身者の会員制クラブのようだ。
古くからの会員である彼のおかげでびっくりするような安い料金であった。

取りまとめの井上は、私は実は別の面で話をしたかった事がある。
というのは、この井上はなかなか謎の多い人物なのである。

文芸春秋のオール読物という文芸誌があるが、最近作家の村松友視さんがこの雑誌に「武蔵野クラブ」という短編を発表された。
「武蔵野クラブ」は吉祥寺にある実在のジャズクラブで空手でもやっていそうな長身のマスター(文中)が気に入った時にピアノを弾くというちょっと変わったお店のようだ。
ここに出入りする常連客(皆一風変わっている)の一人として井上は登場する。
というより、彼が主人公となって物語は展開するのである。
いろいろ彼に問い詰めて(?)みたい話があったのだが、今日は伊藤が主人公なのでそっちの方は後日ということにした。

警視総監ともなると、殆どプライベートな時間はなくなるらしい。
現に、今日は店の周りはSPが目立たないように取り囲んでいた。

伊藤は剣道も強いが、喧嘩も強かった。
彼は私と同じ筑豊の出身である。

筑豊の中でも特に荒くれが多い飯塚が彼の出身だ。
飯塚は私の叔父で現空研顧問の園田寿一の嫁さんの出身地だ。

私の従兄弟も多い。
皆喧嘩が強い。

喧嘩自慢では不敗を誇る土井が、大学時代では俺が一番強かったと中に入ってきた。
当然、それは俺だろう、私がクレームをつける。

伊藤は、中学時代の鍛え方が違うと反撃。
高本が「園田、相変わらず怖い顔してるな」と言う。

スキンヘッドの巨漢高本に「お前に言われたくない」と私。


左より土井、高本、伊藤、園田

私は伊藤がかつて書いていた文章を覚えている。
彼は、警察時代常に一貫した骨太な主張をしていることがわかる。

土井は、昔全共闘側に共感していたこともあるが、彼が千葉県警本部長時代の警察官の発砲に関する談話や、ある警備における実弾の装填に関する談話などで、その硬派ぶりを逆に高く評価していたこともわかった。

私は彼(伊藤)は一見温厚であるが、内面に秘めた正義感と闘争心は、今最も日本人が持たなければいけない武道の精神を高いレベルで昇華しているまれな人材だと感じている。

その他いつもお世話になっている福岡名物「からしめんたいこ」のアンサンブル社長庄野やこれまた剣道の達人大浦(福岡右武館代表)とも挨拶を交わせた。

話は前後するが、この「銀座BRB」は、地下にあるのでエレベータに乗る。
ちょうどエレベータの前で同じ年頃で眼光鋭い紳士と一緒になったのであるが、もしかしたら同窓生?とも思いながら顔を見たが思い出せない。
相手も私を見るが知り合いではなさそうだ。
しかし、受け付けで二人とも修猷館を名乗りやっぱりという感じで互いに自己紹介をする。
分かれば互いに思い出すのは速い、彼は、古賀であった。

彼は現在大手建設会社で土木関係の仕事をしており、今日仕事先のクロアチアから帰国したばかりであるという。
クロアチアといえば、サーカーのワールドカップで日本の次の対戦国だ。

私は彼の事は高校時代のちょっとしたエピソードで強烈な印象を持っている。
詳細は言わないが、本当に男らしい男としての尊敬の念だ。

私の他にも何人かが目撃し同じような感想を持った事を数年前の同窓会で聞いたことがある。

楽しい時間もあっと言う間に過ぎ、解散になった。
しかし、警視総監が店の外に出るとなると大変だ。

まず瞬時にして、銀座8丁目の店の前の道路は警察官によって封鎖された。
そして私服の数名のSPがどこからともなく現れ、黒塗りの車に誘導された。

私にとっては珍しい光景なので、この警備を背景に記念写真を撮ることにした。
SPはとまどっていたようだが、私と土井で伊藤を囲んで警備のまっただ中で記念写真を撮った。

そうすると俺も中に入れてくれと園田(私と同姓)が入り、交通封鎖の銀座で警視総監を囲んだとんでもない記念写真ができた。
警視総監に迷惑がかかるといけないので写真は公表しない。

その後、解散となったのだが、せっかくなので口直しをしようということで私と土井、園田、司馬である店に入った。
銀座にはしゃれた店が多い。

適当に飲み、話が弾み、良い気分で店を出ることにした。
割り勘にしたが端数が出たので、その分は私が持つ事にした。

端数は300万円。
皆ありがたく思えよ。

つづく

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