ヒット カウンタ

十人組手を終えての感想

Hituji君は、入会した時は特に目立つ存在ではありませんでした。
性格は温厚で人当たりも柔らかいし、礼儀正しい好青年といった印象でした。
3人の友人と一緒に入会しましたが、その中でも一番おとなしそうに見えました。
後の二人は体も大きく、一人はボクシングも経験していましたから。
3人ともぐんぐ強くなっていきましたが、最初に黒帯を取ったのは一番おとなしそうに見えたHituji君です。
柔らかな足腰で上段回し蹴りが得意技です。
彼は空手から得たものを仕事の面でも生かしており、私生活においては今年結婚もしました。
そしてさらなる挑戦に意欲を燃やしています。
その彼から今回の10人組手の感想文をもらいましたのでここにご紹介します。

Hituji 初段
目黒道場
2006年9月8日

現空研に入って今現在までに得られたものは、
私の場合、肉体的な強さもそうですが、それよりも精神的な強さが非常に大きいです。

空手を始めた頃は組手をするのが億劫な事が多々ありました。
言うまでもなく、入門直後というのは一番弱い時期ですので、
当然対戦者は自分より強い人間がほとんどでした。

「格好悪い負け方をしたらイヤだな」
そんな気持ちで組手に向かうことが多かった気がします。
実際の力への畏怖よりも、負ける事、みっともない自分を他人に見られること、
そういったものに恐怖していた気がします。

しかし、自分はこんな組手をしていて、実際に他人から突然襲われるようなことがあった場合、
本当に対処できるのか。
こんな問いかけを自分にしてみると、それまでの組手にはとてもではないですが、「覚悟」が足りなかったのです。
それからは組手の前に、自分で「覚悟」をするように意識しました。
すると、いろいろとそれまで見えてこなかったものが見えるようになってきたように思います。
結局、負けることは恥ずかしいことではなく、恥ずかしい負け方があるだけだったのです。
自分が全力で戦って負けたのならそれは、どんなにひどい負け方をしたとしても、恥ずかしい事ではなかったのです。
この気付きは空手だけでなく、仕事や対人面で大きく自分を成長させてくれたように思います。

会長はたまに「空手をやった人間は、社会的にも成功する」ということをおっしゃっていますが、
まさにその通りであると思います。
この負けても、今に見てろよ、と感じることのできるバイタリティは空手をはじめてから身についたように思います。

例えば、仕事などで自分達の立場があきらかに良くないミーティングの場などで、この覚悟を決めて挑む姿勢というのは非常に重宝しています。
どんなに不利な立場にあっても、全力を尽くす。言うべきことは言う。
負けるのは仕方ないが、ただでは負けない。
そんな気持ちで挑んだため、その場は負けても次回に繋がる何かを得られるケースというのは、多々ありました。

他に空手を通じて得られたものは「努力」することの大切さです。
空手をはじめたことで、小さな日々の積み重ねが大きな成果となることを、わかりやすい形で体験した結果、努力の大切さを知ったように思います。
そして、空手をはじめた頃に同じように、仕事や趣味に取り組むようになった結果、今いろいろな成果が出てきています。
今年は個人的に人生におけるターニングポイントがたくさんありました。
十人組手、結婚、そして、まだ進行中ですが、十年来やりたかった仕事に取り組むきっかけができました。
努力というのは1年2年という単位で実っていくことも空手を通して体験しました。

長々となってしまいましたが、現空研で得られたものは、空手という枠を越えて、今の自分を支えてくれています。

普段お世話になっている園田会長をはじめ、
組手などをして頂いている皆さんに感謝の気持ちを述べ、締めさせて頂きます。

押忍、ありがとうございました!

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