第八回現空研空手道大会 感想

2015/05/11

 

現空研大会も第八回となった。

今回は会場の都合で連休の最終日というあまり良くない条件だったにもかかわらず、ほぼ昨年と同程度の参加者で行う事ができた。

 

試合内容であるが、今年は参加者の顔ぶれが昨年と比べると上級者に偏った。

その分若い元気な組手を減ったが上級者の研ぎ澄まされた技の攻防は多く見ることができた。

 

開会宣言

  

 

開始に先立ち前年度 一般部・壮年部中量級優勝の寺島師範に賞状授与 前年度 一般部・壮年部中量級準優勝の菊池三段に賞状授与

 

出場選手たち

 

具体的には昨年は出場しなかった我孫子からの池田三段や渡辺(友)二段その他上級者の参加だ。

一方まだまだまだ空手家としては未完であるが海外でプロボクサーとしてのキャリアがある杉山君やプロ、アマ通して70戦以上の試合経験を持つキックボクサーの三橋君の参加も大会を良い意味で面白いものにしてくれた。

 

そういう意味では剛柔流尚誠館の昨年と同様寺島館長以下精鋭選手たちに加え総合格闘技を三年以上鍛錬されている巨漢の大島三段の参加も注目を集めた。

 

現空研大会は各自の技術向上と精神鍛錬を目的としたものであって、勝敗が第一義ではない。

勿論これが勝負を無視して良いという事とは全く異なる事は論を待たない。

 

勝ち負けをを争う事で新たな自分の可能性や長所、欠点を確認し向上の糧とする事がこの大会の意義である。

そういう意味では今年の大会も大成功であったと思う。

 

今回私が感銘を受けた試合は多いがその中でも一番印象に残ったのは無差別級準決勝で当たった剛柔流尚誠館会長の寺島五段と園田(剛)二段の試合である。

まず、おことわりしておかなければならない事がある。

この試合に出場された寺島師範(五段)は無差別級にはエントリーされていなかった。

 

つまりご自分の壮年部中量級の試合に精神を集中し、それを終えられて(優勝)休息しているときに急に参加を促され何の準備もしていない状態での参加であった事。

一方園田(剛士)二段も軽量級でありながら中量級(優勝)にエントリーし、これまた当日急遽参加を促されて重量級(準優勝)にもエントリーし相当数試合をこなして疲労していた状況であった。

 

つまり両者ともベストの状況ではない中での対戦、それも初顔合わせの試合となったのだ。

それにも拘わらず両者はこの一瞬においては気力を集中し一瞬の隙も見せない試合展開となった。

 

判定は僅差で園田剛士二段の勝利となったが、それはたまたま今回の結果でありこれが両者の力をあらわしたものではない。

両者とも最良のコンディションでの組手を再度見たいものである。

 

間合いの駆け引きから勝負は始まった。                                      寺島五段の鋭い上段突。

 

園田剛士二段のカウンターの上段突き                                          寺島五段の踏み込んでの上段突

  

園田剛士二段の会心の上段突                  寺島五段が今大会で初めて見せた鋭い回蹴

  

このコンディションに関しては私の今回の大会運営に関しては皆さまにお詫びしなければならないと思っている。

それは、クスラ別の戦いを決勝戦まで連続して行うという誤りである。

 

それは今回だけ行った処置であるが判断を誤った。

その弊害が明確に出た試合がいくつもある。

 

最初は一般部の軽中量級決勝戦である。

これは園田剛士二段と水尾二段との対戦になっのであるが、水尾二段はキックボクサー三橋君との激闘を終わった後たった1分間のインターバルで園田剛士二段との決勝戦を行ったのである。

 

やはりこの一分間のインターバルは短すぎるというのは水尾二段が本来の動きが出来なかったのを見てもあきらかである。

これも両者同じ条件で対戦させたかった。

 

これと同じ場面が重量級でも起きた、軽量級でありながら重量級にも出場した園田剛士二段はパワーあふれる尚誠館の水本1級とのハードな試合を展開した後準決勝で今大会最重量の内田二段と延長を含む激戦を展開。そしてその後やはり一分間のインターバルで二戸三段との決勝戦を迎えたのである。

 

やはりこの時も園田剛士二段が本来の動きが出来なかったのは一見して分かった。

この二試合で私は運営の欠陥に気付き、その後の壮年部と無差別は決勝戦の前は5分間のインターバルをとるようにしたのだが私の配慮のなさをお詫びしたい。

 

ただ5分間でも十分とは言えず、やはり例年のように決勝戦は別枠で行うべきであった。

ただ言い訳ではないが、武道的な観点では疲労困憊した時の対処というものはやはり常に考えておいて欲しい。

 

各クラス優勝者が素晴らしかったのは当然としても勝敗では不覚をとっても記憶に残る良い組手が多くなった。

水尾二段とキックの三橋選手との試合も好試合だった。

 

水尾二段の上段突きと三橋選手の回蹴の応酬で白熱した試合が展開された。

勝敗は水尾初段が勝ち取ったが内容は紙一重だ。

 

三橋選手の回蹴が水尾選手の顔面を捉えたシーンがあった。

しかし主審からも近くの副審からも死角であり、対角線上の副審からは距離があり正しく視認することは難しかったシーンだ。

 

結局この蹴りは取ってもらえなかった。

ビデオで見ると確かに入っている(しかも寸止め)がこれは結果論であり、その時点で全てを正しく判定することは至難の業で審判を非難することはできない。

 

 

寸止めの難しさがここにある。

ノックアウト制であれば判定は簡単だ。倒した方が勝ちで、当てても効かなければ意味がない。

 

しかし社会人が安全に続けられるという前提にたてばこうしたルールは受け入れがたい。

だから寸止めを判定する審判は相当高度な能力が要求される。

 

優勝にはからまなかったが興味深い対戦の一つに我孫子道場のベテラン渡辺(通称レスラー)二段対尚誠館の大島三段があった。

双方とも重量級であり、総合格闘技も鍛錬している大島三段とレスリング経験のある渡辺二段という組み合わせだ。

 

ただここで一つおことわりしておくことがある。

この大会のルールであるが、いわゆる寝技に関しては立関節や足払い等の流れからの連続した寝技は認めるが、引き込んだりいわゆるグランド状態での攻防は流れが止まった状態で審判の判断で止めさせるというものだ。

 

事前に寺島館長からの確認もあり試合前のルール確認でも話したので、双方ともいわゆるグランド状態での攻防はあまりできない状況であった。

寝技に対しては現空研も積極的に取り組んではいるが試合ではまだ安全性の確認などの課題がありどこまで許すか(絞め技、関節技)ということも含めてまだ研究段階である。

 

今回の大会では二戸三段が立ち技で瞬間的な関節技をかけるシーンもあったが全体的に積極的に関節技を行う選手は少ない。

それでもこの試合は大島三段の果敢なタックルなどもあり大変面白い試合展開となった。

 

胴タックルに入る大島三段                                                        至近距離から上段カウンターを放つ渡辺(友)二段

 

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