第4回現空研空手道大会感想 その2

2011/05/30


平成23年5月29日の第4回現空研空手道大会の試合に目を向けてみればそれは好試合の連続であった。

まず選手が選ぶ最優秀組手賞に輝いた試合を紹介しよう。

 

それは、壮年部軽量級の決勝戦となった滑川二段と末松二段の対戦である。

この二人は第一回大会からの好敵手なのだ。

 

ちなみに壮年部軽量級の歴代の入賞者を記してみる。(段位は当時のもの)

 

第一回は

優勝 滑川一級
準優勝 尾崎初段
第3位 末松初段
第3位 山崎一級

 

第二回は

優勝 滑川 初段
準優勝 末松 初段
第3位 村松 一級
第3位 近岡 二級

 

第三回は

優勝   中川(入会直後のため無級)
準優勝 滑川 初段
第3位 北島 二段
第3位 村松 初段 

 

そして今年第四回は

優勝   滑川 二段
準優勝 末松 二段
第3位 國井 3級

 

というようにこの二人は過去3回も顔を並べて入賞しているのである。

昨年は中川初段(現在)という強敵の参入で滑川二段の連覇が拒まれたのだが、それ以外では常に滑川二段が優勝し、末松二段は二位か三位という立場になっている。

 

優勝経験はないとは言え、いつも後一歩のところで後塵を拝している末松二段も技、気迫とも充実した現空研を代表する軽量級の一人であり、今年は優勝にかける思いも強かったはずである。

そして今年はまたしても決勝戦で対峙することになったのである。

 

双方道場では数え切れない程対戦しており、癖も全て知り尽くしている仲だ。

その二人が大会参加者全員が見守る中で対決した。

 

壮年部軽量級決勝戦 末松二段の後回蹴(左写真)      滑川 二段の上段突(右写真)

 

主審の木村師範のはじめの声で両者の死力を尽くした対戦が始まった。

最初の一撃は滑川二段の左足によるインローの攻撃だ。

 

それに対して末松二段もすぐ左の前蹴で応戦する。

徹底的に下段狙いで攻撃する滑川二段に対し末松二段は下段や中段あるいは顔面突きといった多彩な技で応戦した。

 

全力で対戦するも本戦の二分間はあっというまに過ぎた。

互いに有効ポイントはなく、すぐ一分間の延長に入る。

 

延長に入った時点で双方ともかなりのスタミナを消耗しているはずだが、互いにスピーヒドは全く落ちない。

落ちないどころか、互いにスイッチが入ったように激しい応酬となった。

 

下段主体に攻めていた滑川二段が時折得意の上段回蹴や顔面狙いの突きも交えた総攻撃に変わっていく。

一方の末松二段も真正面からそれに対抗して横蹴りなども混ぜた多彩な攻撃はいささかも衰えない。

 

こうして延長戦も互いに譲らぬまま終了。

そして旗判定になった。

 

副審2名が赤、白に分かれる。

この場合現代空手道研究会ルールでは主審に判定権があるのだが、副審を呼んで確認を取ることもできる。

 

主審の木村師範は副審を呼び寄せ協議するも判定が難しく再延長の許可をもらいに審判長である私の判断を仰いだ。

私も甲乙つけがたいこの決勝戦は再延長しかないと判断し許可した。

 

そして再延長となり、両者は三度激戦を演ずる、歓声は最高潮に達し、それでも互いに譲らず試合終了時は判定前に既に場内は拍手に包まれていた。

そして主審の滑川二段勝利のコールで場内から「オー」というどよめきがおこり再び両者をたたえる万来の拍手が起こった。

 

本当に僅差の判定であり、敗れた末松二段の無念さもいかばかりのものかと思うが、両者歩み寄って互いの検討を讃える姿はすがすがしい。

滑川二段もこの再延長で全力を使い果たし、午後の無差別級のエントリーの辞退を申し出たことから死力を尽くした戦いだったことが伺える。

 

この試合は現空研史に残る名勝負の一つとなるだろう。

 

戻る 続く

 

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