ヒット カウンタ

平成18年度夏期合宿顛末記

平成18年度の夏期合宿は無事に終わりました。
昨年と参加人数はほぼ同数でしたが、今回は黒帯の参加が非常に多かったのが特徴です。



しかも10人組手の挑戦者は少なかったので、その対戦カードは稀に見る過酷な組み合わせとなりました。
しかし、今回の10人組手の挑戦者は実力者が揃っていましたので、内容は大変な激戦とはなりましたが見る者にとっても大変得るところが多い名勝負が続きました。

しかし、どんなに実力があっても後半戦は皆技術体力の限界を超えた精神力の領域に入ることは今回も例外ではありませんでした。
簡単に挑戦者を紹介しますと、

Watanabe  (我孫子道場、柔らかな足腰でモーションの見えない上段蹴りが得意)
Hituji (目黒道場 物腰は柔らかいが内に秘めた闘志と良く上がる左右の回し蹴が武器)
Horikomi (世田谷道場 厳しい求道的なトレーニングと闘争心でめきめき実力を上げた。奥さんもイタリアで空手修行)
Hisinuma (我孫子道場 ボクシング出身でフットワークと突きの速さは天下一品の消防隊員)
Sionaka (目黒登場 子供の頃から極真空手で鍛えた猛者。Nito(弟)との激しい稽古での足の負傷をおしての挑戦)

この5人に対してそれぞれ10人の黒帯が対戦するわけです。

黒帯の中には来週キックの試合に挑戦するNito(兄)、プロボクサーIkoma、10人組手阻止を宣言し倒しにかかると公言してはばからない暴れ竜Suzuki、アイスホッケー出身100k超級のアビ、この試合のため当日の朝ジムでキックボクサーとスパーリングまでして準備万端のIto、少林寺拳法4段を持つ世田谷道場の勇Kawabe、そしてジープマンに酔っ払い師範、この日のために参加したHagio、日大空手部出身の硬派Oyama、ベテランのTanaka、Saisyo、タイから帰国してタイ式マッサージを始めたOrikasa、業師のSuehiro、Suematu、伝統系でも黒帯のHirayama、若手の成長株Mizuo、Nakanoいつもファイト溢れるCyokkou、Ozaki、高校生のTなどそれぞれ一癖も二癖もある連中が次から次へと襲いかかるわけですから楽なわけがありません。

正直私は完遂者は良くて3名だろうと試合前に言いました。
そして、本人にやる気があっても安全上、健康上の見地から途中で中断を宣する事もあると。

はたして皆、大変な激戦になりましたが、何と全員完遂という快挙を成し遂げたのです。
しかも大きな怪我もなく。

ビデオを撮影していたSuematu君は感動で手が震えてきたと後で話していました。
今回は10人組手だけでなく、白帯、緑帯の組手も良い試合が続きました。

白帯にはフルコン系、伝統系の有段者もいましたので、飛び級も視野にいれた規定の人数以上の組手も行いました。
また、6人組手は、我孫子道場のOkawa君と目黒道場のIguchi君がともに死力を尽くした組手を演じ、最後の二人の直接対決は稀に見る激戦となり見る者に感動を与えてくれました。

そして、女子部も男子に劣らぬよい組手が続きました。
特に6人組手は我孫子のSatoさんと世田谷のSuzukiさんが互いの力を出し切った組手を見せてくれました。

Satoさんの中段、下段のスムーズで腰の切れたコンビネーション、一方Suzukiさんはクラシックバレーで鍛えた驚異的な体の柔らかさで信じられない角度で上がる上段回し蹴りの攻防は見ごたえがありました。

最後に、少年部の名試合も忘れる事はできません。
小学校2年生のTakagi君と3年生のOyama君です。

お母さんと参加したTakagi君は家族全員が現空研で稽古をしています。
お父さんは今回は怪我で参加できませんでしたが、伝統系の黒帯です。中学生のお兄さんは学校の補習でやはり参加できなかったのです。同じ伝統系の黒帯を持っています。

小学生のTakagi君はまだ白帯ですが、どんな相手でも全力でぶつかっていくファイトを持った勇気溢れる子です。

一方Oyama君は、日大空手部OBで現空研でも10人組手を完遂したOyama初段の息子さんで伝統系の色帯を持っています。
この二人は顔を合わせたのまだ2回目ですがとても仲良しです。

しかし一旦空手の試合となるととても激しい組手となります。
お互い勇気があるのと技も切れるので、今回の試合(まだ2回目)も大変良い内容となりました。
最後は拍手の嵐でした。

夜の宴会はいつものように大変盛り上がりました。
宿泊の民宿は貸切となりましたので、酒盛りは深夜まで続きました。
一方子供たちはSaisyo初段の監督の元海岸で花火をやって楽しんでいたそうです。

そして、二日目は基本、形審査の後今回初めての道場対抗戦を行いました。
我孫子(千葉)対世田谷、目黒連合(東京)という対戦です。

東京の方が人数が多いのですが、我孫子には師範や師範クラスがいます。
女子も含めた全員参加の勝ち抜き戦です。

そして、それとは別に双方2名づつ出す代表戦も行いました。
この2名とも引き分けの時はさらに一名の代表をだして決着を付けるということにしました。

全員参加の勝ち抜き戦は大声援の中シーソーゲームの連続で激戦に継ぐ激戦でしたが最終的に2名を残して我孫子の勝ちとなりました。
一方代表戦は、我孫子はNito(兄)初段とアビ初段、東京はKawabe初段とHagio初段で行いましが、ともに相譲らず二組とも引き分けとなり、最終の一名を出しての大将戦となりました。

我孫子代表はOrikasa初段、東京代表はMizuo初段です。
この二人も大変な激戦となりましたが、延長の末僅差判定でMizuo初段の勝利となりました。

この結果団体戦では我孫子が勝ち、代表戦では東京が勝つという結果になり綜合判定は引き分けということになり、勝負は次の機会にもちこされる事となりました。

最後は恒例の海岸稽古です。
まず、酔っ払い師範とジープマンに模範組手を行ってもらいました。

酔っ払い師範は海岸用の空手衣を別に用意してくるという周到さです。
本人曰く、「濡れても動きが鈍くならない特殊素材の特注品」だとの事でした。(単に古くなった昔の空手衣に決まっています。)

その後、何組かで模範組手を行ってもらい、最後は全員による総当り戦で締めくくりとなりました。
当日は近くでビーチバレー大会の決勝戦があり、海岸は多く人でいっぱいでした。
我々の稽古を遠巻きで観戦していた人たちもたくさんいたようです。

こうして今年の合宿は無事終了しました。
多くの激しい組手の割に大きな怪我もなく、皆元気に帰途につくことができ良かったです。
そして多くの感動を皆と共有できました。

最後に一つ報告です。
翌日防災訓練のためどうしても途中で帰らなければならないということで一升瓶を空にした後、最終電車に乗るべく帰途についたX氏ですが、皆の心配したとおり反対方向の電車に乗ってしまい、朝まで最南端の館山で過ごすはめになったとの報告を受けました。

翌朝の始発に乗って無事訓練に間に合ったかどうかは現時点では不明です。
X氏とは某プロボクサーのX氏です。

2006/08/27

追記(2006/08/29)

X氏本人とおよびその一派と類推できる筋からの情報において上記情報には重大な瑕疵がある事が判明しました。
夜を明かしたのは館山ではなく隣の勝浦であったという事(大差ないか)、そして結論としては始発にて無事目的地に到着し任務は遂行できたとの事です。(真相

 

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